VOL.108 「におい」の研究がノーベル賞!!
コラム
今回ご紹介するアロマの歴史は、ノーベル賞にまつわるエピソードです。
実は「におい(香り)」をテーマとした研究が過去、
ノーベル賞を受賞しているんです!
アメリカのコロンビア大学のリチャード・アクセル教授と、
フレッド・ハッチソンがん研究センターのリンダ・バック博士の共同研究
『嗅覚システムの組織とにおいの受容体』
が、2004年のノーベル医学生理学賞を受賞したのです。
この研究を簡単に説明したい……
ところですが、さすがノーベル賞を受賞するだけの研究です。
そうそう簡単には説明できない!(笑)
かなりざっくり要約すると、
人々がどのように「におい」を識別して記憶するか
を解明した研究のようです。
実はヒトの五感のなかでも、嗅覚はあいまいなものとされていました。
分類自体があいまいであると同時に、視覚や味覚とくらべて多種多様で、その数は数十万種類と膨大な数になるのです。
くわえて匂い物質は、分子量30から300程度までの低分子化合物。
これらの数値だけみても、においにまつわる感覚や物理的な変化が、多様すぎることがわかりますよね。
しかし、「それほどになるまで」においを感じ取る力がヒトには必要だったということでもあります。
先の研究によってわかったことなのですが、嗅細胞におけるにおいの受容体を作る遺伝子の数は、すべての遺伝子の約3%も占めていることが発見されたのです。
3%というと小さな数字のように感じますが、
膨大なるすべての遺伝子のなかの3%が
「においの受容体を作る遺伝子」
なので、
ヒトは「生きていくため」に匂いを感じ取る力
を持たないといけなかったことが、
わかりますよね。
香りと脳のしくみはとても密接でいて、その解明はまだ未知数。
これからもさまざまな研究により、新しい発見が出てくるのでしょうね。
とても楽しみです。
(島みるを)
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